カンジダの症状
カンジダ膣炎とは、真菌が外陰部に繁殖して炎症を起こしてしまう病気です。外陰部の病気の中でもメジャーなものとして知られています。症状としては、まず膣や外陰部の痒みが大きな特徴です。痒みがひどいために掻きむしることで、腫れやただれがひどくなったり、湿疹が生じたりする人もいます。また、ヨーグルトやカッテージチーズに似ている白いおりものが増えてきます。健康なときのおりものとは全く異なる色や形状なのでわかりやすいでしょう。さらに性交時に痛みを伴うこともあります。人によっては膣部分に灼熱感を抱いたり、稀に微熱が出たりして風邪と勘違いする人もいるようです。
原因を知ろう
本来カンジダの真菌は、膣の中に存在しています。けれども健康なときはカンジダ菌は悪さはしません。免疫が落ちているときなどに、膣内で菌が増えて炎症を起こしてしまうのです。疲労が続いているときや風邪などで体力が落ちているときに発症しやすい病気と言えるでしょう。大きな原因として、パートナーからの感染が挙げられます。例えば風俗でカンジダ菌をもらってきた相手と性行為することで感染してしまうなどのケースです。またピルや副腎皮質ステロイド剤の使用中も注意が必要です。実は妊娠中も、膣内の酸性度が低下するうえにホルモンバランスが崩れるためにカンジダ症にかかりやすくなることがわかっています。
自然治癒はするのか?
カンジダ症は、果たして自然治癒するのでしょうか。痒いうえにおりものも増えて何かおかしいと思っても、婦人科に行くのは勇気が要るという人もいるものです。また多忙でなかなか病院に行けないこともあるでしょう。できることなら自然に治って欲しいと思ってしまいがちです。確かに症状がとても軽い場合は、市販の塗り薬などを少し付けるだけで治るケースも見られます。だんだんと痒みも治まりおりものも減ってきます。
ただし、再発しやすいことも否めません。根本からしっかり治したいのであれば、適切な治療を受けることが何よりです。そもそもカンジダは常在菌ですので、生活スタイルが乱れている限りは免疫が落ちたときにまた発症してしまうでしょう。自然治癒で治したいのであれば、何よりまずは基本的な日常生活自体を見直す必要があります。いずれにせよ、確実に治したいのであれば面倒臭がらずに恥ずかしがらずに、医師の元に相談に行くことがベストと言えるのではないでしょうか。
適切な治療法を
・薬での治療
カンジダは症状の重さによって、治療法も変わってきます。自己判断は危険ですので、婦人科を受診してきちんと医師の指示に従うことが安心です。カンジダは薬局で手に入る市販薬もあります。クロトリマゾールやミコナゾールといった薬が一般的に知られています。ただし、そういった市販薬で治るのは、症状が軽い場合です。なかなか治らないときや痒みがひどいときなどは、市販薬では治まりません。
その際には病院で、飲み薬や抗真菌クリーム、とき座薬を処方されるでしょう。飲み薬としては、フルコナゾール別名ジフルカンが使われることが多いです。膣部にクリームを塗ることに抵抗がある人は飲み薬がおすすめですが、飲み薬にもデメリットはあります。効果が出るまで時間がかかるという点です。痒みを早く何とかしたいのであれば、やはりクリームの方が良いかもしれません。そのほか、ホウ酸やヨーグルトのような発酵食品により、治療する方法が採られることもあります。
・予防も大切
カンジダが再発しないためにも、日常的に予防対策を行うことは大切です。まず下着に関しては、通気性の良いコットン素材のものを選びましょう。あまり窮屈ではなく、適度に余裕のあるサイズの方が蒸れなくて良いでしょう。下着だけでなく、スポーツウェアや水着なども膣部が蒸れやすくなります。泳いだ後、汗をかいた後はできるだけ早く着替えるようにします。カンジダは性行為によって感染することが多いので、コンドームを装着することも基本です。不特定多数のパートナーとの性行為も慎みたいものです。膣を清潔にしたいとスプレーなどで洗う人がいますが、洗い過ぎは良くありません。膣内には、ウイルスなどから身を守るための常在菌がいます。洗い過ぎることで、そうした必要な菌までも洗い流してしまうことになるので危険です。後は基本的なことですが、生活リズムを整えること、そして疲れたときは早めに寝るなど免疫が落ちないような心がけも習慣付けましょう。
まとめ
カンジダは、4人に3人は経験するとも言われているありふれた病気です。けれども、規則正しい生活とパートナーとの真面目な性行為を行っていれば、予防することが可能です。上記のように、さまざまな治療法があることもわかりました。不快さを感じずに済むためにも、まずは正しい知識を身に付けて、日常からカンジダにかからないように気を付けたいものです。